1章「どういうところか分かって来てるのか?」

「取材、来るのはええけど、どういうところか分かって来てるのか?」
小西先生

出張懐石と料理教室をされている、小西博先生を訪ねた際の第一声がそれだった。
先制パンチ。やられた、という感じである。

怒れば迫力がありそうなコワモテに、がっしりとした体格、修羅場をくぐって来たプロのみが醸し出す余裕。
その全てがミックスされ、完全に圧倒される。

恥を忍んで正直に言うと、料理教室をやられているという以外は全く何もわからずに、先生のもとを訪ねたのである。
勢いのみ。明らかに勉強不足。
さらに告白すると、プロに話を聞くという覚悟もなかったかもしれない。
面目ない限りだ。

怒声が降りかかるかと思いつつ、首をすくめていると、意外と怒声は轟かなかった。
出来の悪い生徒に教えるように、丁寧に先生の信条や想い、料理教室の方針を教えていただくことが出来た。

2章「レシピは教えへん」

先にも書いたが、先生は出張懐石と料理教室をメインでやられている。
出張懐石の方では、全国を飛び回って、何百人、何千人というお客様に対して、お料理を提供されている。
料理教室では、主に京都で教室を開かれていて、プロの料理人にも教えられている。
それ以外にも、海外(アメリカやオーストラリアなど)、国内を問わず、講演等も行われていたり、お店のプロデュースなどもされていたり、非常に活動の幅が広い方だ。
二足のわらじどころか、何足あるのかわからないほどである。

そんな方が教える料理教室。
どのようなものなのか、非常に興味がある。

「うちの教室では、レシピは教えへんよ。お品書きがあるだけや」
そんな料理教室は今まで聞いたことがない。

先生は、『レシピは意味がない。』と断言する。
「大体、【醤油大さじ一杯】と書いてあっても、それがどのメーカーの醤油かで味が変わってくる。
ましてや、1ヶ月前にあけた醤油と今あけた醤油では全然違う。レシピにはそんなこと書いてない」
そういわれて、初めて、そうなのか、と気付いた。
先生によると、関東か関西かによって、同じ醤油メーカーの作った醤油でも、味が違うそうだ。
また、薄口・濃口の違いもある。
確かに、レシピにはそのあたりのことは書いてない。

「火にかける時間にしても、使ってる鍋や、コンロ、オーブンの種類によっても全く変わってくるで」
IHか都市ガスか、プロパンガスか。鍋の素材はなにか。
そういう諸々の条件が違えば、レシピは意味がなくなる。
自分の中にあった常識は、早くも崩れ去ったのである。

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出張懐石小西料理教室
〒604-8052
住所:京都府京都市中京区二条通東洞院東入フローラ高田202号
URL:http://www.chakaiseki-konishi.com/
電話:075-241-4146
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