patisserie BeBe(パティスリーベベ)というケーキ屋さん

今回は2005年12月2日にパティスリーベベというケーキ屋さんをオープンさせた
パティシエの町田菜穂さんを取材してきた。

これは取材前に調べていたが、「べべ」というのが解らなかった。
そこで伺ってみると、
「べべとは昔飼っていた犬の名前で、フランス語でべべとは「赤ちゃん」という意味もあるので一からお店を開くということと、周りの方たちに育てて頂けたらと言う事で、名づけました。」
との事。
なるほど、どうりで調べても解らなかったわけだ・・・。
なかなか、愛らしいネーミングで町田さんの人柄がうかがえる。
そんな彼女がお菓子作りを始めたのは小学校の頃。
「一番最初に作ったお菓子はなんですか?」
という問いに
「うーーん・・・・・・忘れました。物心がついた頃には、すでに母親と日常的に作っていましたからねぇ。」
と。
なるほど、達人の共通点として、物心が付いた時にはすでに始めているというのが挙げられるかもしれない。
建築を学んでいた事もあり、現在では趣味として陶芸を遊び程度にやっているという。
お菓子作りも陶芸も手先を器用に使い、ものを作るのが好きでないと出来ない作業だ。
そういう点ではかなり共通している。
フランスでお菓子作りを学び、レストランに住み込みで仕事をしながらも色々と勉強をされてきた彼女であるが、
「まだまだ発展途上中です。」
と向上心たっぷり。脱帽である。
凝り性なのである。
好きが高じて、お店を出すというのは出来そうで、なかなか出来ることではない。
「思うより、行動してしまうタイプ」
と言う彼女は、
「行動せずに後悔するよりも、行動してから後悔したほうがいい。」
という哲学を持つ。
見習いたいものだ。
とにかく、やってみよう!という事だ。

そんな彼女がオープンさせたケーキ屋パティスリーベベとはどんな所か。
入り口にはワインボトルデザインなどで有名な中崎宣弘氏デザインの看板。
店内のこだわりはフランスをイメージし、白とワイン色を基調としたさわやかなイメージ。
南仏風を思わせる。
まるで、ホイップクリームとラズベリーを組み合わせたようなカラーで、スウィートなイメージである。
壁にはスタッフの方が描いたポストカード等も展示してあり、ディスプレイにもこだわりを感じる。
2階建てで、2階部分はcafeとなっており、町田さん作の陶芸作品も。
お店に置いてあるディスプレイは基本的に自分の好きなものを置いていると。
景色は山と琵琶湖と大津プリンスホテルが望め、とても気持ちが良い。
まさしく、隠れ家的存在である。
こんな素敵なお店を開店されるのには、相当苦労されたのかと思いきや、
「なぜだか協力してくれる方がたくさんいらっしゃったので。」
と、町田さんの人脈と人柄の良さがわかる。
しかし、予算を抑えるために、製氷機などをオークションで購入したり、
たまたま、辞められるお菓子屋さんから譲り受けたりと工夫をされている。
お店で配っているチラシなどはすべて手作り。
ネットでは表現しえない、温かみを感じた。
この店を一人で切り盛りされているのだから相当バイタリティーがあり大変だろうと思う。

だが彼女は、
「自分の店だから楽しい。」
と言う。
私が言うのも恐縮だが、この方には人生のいい流れを感じた。
私が
「上昇気流ですね。」
と言うと
「ええ、中日のようにね。」
と町田さん。なんと中日ファンということが発覚。
「ただお店をオープンしてから野球は見に行ってないです。」
と、多忙だそうだ。
この店ではオーダーも可能で、お客様のご要望にお答えできるとの事。
冬場はクリスマス等で忙しくなるが、夏場は暇だと思いイベントを始めた。
普通のケーキ屋にはしたくないと言う。
色んなイベントを企画し開催していくケーキ屋さんプラスアルファを目指す。
さまざまな、業種ともコラボできたらいいと意気込む。
現在は、おじいちゃん・おばあちゃんをテーマに子供がデザインをしたケーキを
投票によって実現させるという、イベントを開催。
取材した私自身も、投票をしてきた。

その他、案として
「2階のcafeでテーブルマジック等を行えれば。」
と町田さん。
さまざまなイベント企画をすでに頭の中で思い描いておられる。
今後が楽しみなケーキ屋さんだ。
確かに、こういうケーキ屋さんは他に無いかもしれない。
ここまでは、誰もが羨むような事をお聞きしたわけだが、
「これだけは言っておきたい!」
と町田さん。
「ケーキ屋さんって華やかに思えますけど、実はその裏の地味な部分は莫大にあって立ち仕事で、同じような作業と仕込がほとんどで大変なんですよ。」
と。
仕込みのため、毎夜12:00~1:00頃まで仕事をしているというから驚きだ。
パティシエという職業と、ショップを持つという事にあこがれている人には夢を潰すようで悪いが、我々が思い描いているケーキ屋さんは実際とギャップがあるという事も知っておくべきだ。
「体力的にきつく辞められる方も多いし、やっぱり体力勝負でしょうか。」

そして
「想いがどれだけ強いかどうか。」
で道が決まってくると言う。
健康に恵まれて、やる気がどれだけあるかと言うことだ。
それを踏まえた上で彼女はこの道を選んだ。
それには、それ以上の魅力があるからである。
その魅力を尋ねてみた。
ケーキは祝い事の席を飾るものでもある。
「幸せのお手伝いをする仕事だから、やっていていい仕事」
と言う町田さん。
常にケーキは幸せとセットなわけだ。
確かに私自身もそうだが、誰もがフォークでショートケーキの角をすくい口に入れた瞬間、頬が緩みほころびるだろう。
ケーキを買いにくるお客様はみな幸せそうだと言うのもうなずける。
「コンビニや他店でケーキを買ったりもしますよ。」
と。
ケーキ屋さんがコンビニでもケーキを買うというのが驚きで、本当にケーキが好きなんだと感じた。
「初心者が一番最初に作ってみたらいいお菓子は?」
という質問をしたところ
「基本的に自分が食べたいものを作るのが一番。」
との答えに、当たり前の質問をしてしまったようで恥ずかしかった。
気を取り直し、ケーキ作りのポイントは?と尋ねてみたところ
「興味を持つこと。材料をそろえたり計量をしたりは大変だけど、
好きな音楽を聴きながら、余裕を持って作ることが大事。」
と。
余裕をもってやる。そして、そこから楽しさが生まれる。
楽しくないと何事も上達しないのだ。
上達するのにもポイントがある。それは、
「何回か同じケーキを作る事。そして、どこがダメなのかを研究する。」
「何回か作ってもダメな時は、参考にしている本がダメなときもある。」

そういえば以前取材した小西博先生がレシピは当てにならないと言われていた事を思い出した。
これはかなりポイントかもしれない。
「一般の方が難しい分量とかもあるので他の作り方も考えてみる。」
「上達すれば自分の配合をみつけ、そして自分自身のレシピを作り出す。」
要は、頭を使う必要があると言うことだ。
進歩するために、色々と工夫を凝らし、自分なりにいい塩梅を見つける。
お菓子やケーキ作りには様々な器具が欠かせない。
「持っていると便利な道具とかありますか?」
と伺った。
「ハンドミキサーはあったら便利。」
「だけど最後の微調整は手で行いますけどね。」
やはり、人間の微妙な感覚は欠かすことができない。
道具を揃えだすとキリが無く大変なので、出来る事からやっていけばよい。
技術的なことを言うと、風味付けの為のお酒はポイントだそうだ。
最後にお菓子作りは、
「好きな人に食べてもらう。そしてそれを食べてもらって喜んでもらう。それが一番。」
だと言う。
原点を見つめなおすと、やはりそれに尽きると感じた。
今回の取材で、
「ケーキ作りは奥が深くて面白い。」
という彼女の言葉が、当たり前のようだが、何故か心に残った。

| patisserie BeBe | ||
| ◆ 定休日 | 毎週 水、木曜日 | |
| ◆ 住所 | 520-0005 滋賀県大津市高砂町26-12 |
|
| ◆ tel/fax | 077-510-0331 | |
| ◆ open | 11:00~19:00 | |
| ◆ ホームページ: | http://patisserie-bebe.seesaa.net/ | |
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